FC2ブログ

旅と徒然なる日々

ヒナが返ると…

芋煮姉さんは、リンゴを並べて腐らせる先輩が寮を出たあと、3人部屋を1人で悠々自適に暮らしておりました。



が、春には新一年生を迎え入れなければなりません。



芋煮姉さんの部屋にやってきた一人の一年生は、きっととってもお母様から大切に大切にお育てになられたであろうヒナコちゃん。人の目を見て話すことができず、世間知らずで、どう見たって中学生にしか見えない子だった。



なにせ、服装はいつも、紺のプリーツスカート(後ろでバッテンのひも付き)に白いブラウス。寒い時は白いとっくりのセーター(タートルじゃなくて、とっくり)



(いくら20年前とはいえ、「いまどきそのプリーツスカートはどこで入手できるの? そして、そのスカートは何枚持っているの?」と不思議でならなかったんだけど…)



小さい時、お母さんに言われたよね。「寝るときはおなかが冷えないようにパジャマをズボンの中に入れなさい。」って。ヒナコちゃんは大学生になってもお母さんの言いつけをキチンと守り、お風呂から上がるとしっかりとパジャマをズボンの中に入れていたっけ。



料理はもちろんのこと、洗濯機の使い方も知らないし、なーんにもできない子で、よくまあ、ご両親も東京に来ることを許したなあ、本人もどうして親元から離れようと思ったんだろうと不思議なくらいだった。



そんなヒナコちゃん。同室になった先輩は、見た目からして母のような、大きな心の持ち主の芋煮姉さんだったもんだから、それはもう、ラッキーとしかいいようがない。



それは裏を返せば、芋煮姉さんにとっては過酷な日々の始まりだったんだけど…



ヒナが卵から返って最初に見たモノを母と思うってよく言うでしょ? ヒナコちゃんにとって、一人東京にやってきて、最初に出会った芋煮姉さんはまさに母。



まさにあんな感じで、ヒナコちゃんの芋煮姉さんへの慕い方はハンパじゃなかった。



お料理上手な芋煮姉さんは、最初だけと思って料理も作ってあげていたら、それがもう当たり前の母の役目となってしまい、口を開けて待っているヒナコちゃんのために、心優しい芋煮姉さんは毎日ごはんを作る羽目に…



お風呂に行くといえば、一緒に行くと言って付いてくるし、出かけるといえば何時に帰ってくるの?と不安そうな顔。



さすがに芋煮姉さんも、疲れてきて、ますます私たちの部屋に来ては、MY茶筒に顎を乗っけてため息をつくことが多くなった。



そして一年が過ぎ、またまた新一年生を迎えるため部屋替えが行われ、芋煮姉さんこれでようやくヒナコちゃんの母から卒業ね~と思っていたんだけど…



ヒナコちゃん、決して悪い子じゃないんだけど、あまりにも浮世離れしすぎてて普通に会話が成立しないし、周りの人への依存度も高すぎて、誰も同じ部屋になろうという人が現れず、このままだと1人になってしまう。



心優しい芋煮姉さんは、そんなヒナコちゃんをほっとけず、結局次の年も同じ部屋に…



「だってさ、ヒナコちゃん1人っていうのもかわいそうなんだけど、ヒナコちゃんの部屋に入ってくる新一年生はもっとかわいそうじゃない…?」



たしかに…



ヒナコちゃんの心配だけでなく、まだ見ぬ新一年生のことまで心配する芋煮姉さん、アナタはえらすぎですっ!!



**********



そして、卒業して、就職して、芋煮姉さんはヒナコちゃんのお世話係から解放された。



はずだった…



芋煮姉さん、就職して2年目。新入社員が入ってきました。 そこにはヒナコちゃんの姿が…



芋煮姉さんびっくり仰天。 なぜ? なぜアナタがそこにいるの?



ヒナコちゃん、芋煮姉さんを慕って会社にまで付いてきちゃいました。



そして、会社の人から、「ちょっと、芋煮姉さん、あの子あなたの後輩でしょ? なんだか仕事の飲み込み悪いから指導係お願いね。」



そしてまたヒナコちゃんのお世話係は続くのだった…。



スポンサーサイト



* Category : ドラマチック寮生活

* Comment : (2) * Trackback : (0)

きゃはは、おもしろ~い! * by パウダーブルー
きゃはは、おもしろ~い!
そんなヒナコちゃんも、立派に一人前になり、今頃お母さんしてるのでしょうか??
芋煮姉さんの優しさにも感動です。
そういう人っていますよね、人の世話をするように運命づけられている人っていうか、
世話をしてあげなきゃいけない人が自然に集まってくる人っていうか・・・
きっと「お世話してあげるわよ」オーラが出てるんでしょうね。
残念ながらわたしにはそんなオーラは全然出てないと思うんだけど、
なぜ、一人では何にもできない厄介者の主人が、寄ってきてしまったんだろう・・・?


確かに、芋煮姉さんは決して一目を引く美人ってわ... * by えびふらい
確かに、芋煮姉さんは決して一目を引く美人ってわけじゃなかったけど、
すごくモテたんですよね。
男の人って「お世話してあげますよオーラ」が見えるんでしょうね。

私にもそんなオーラは一筋たりともありませんっ!!

ヒナコちゃんは今頃どうしてるのかなぁ~


コメント









管理者にだけ表示を許可する

きゃはは、おもしろ~い!
きゃはは、おもしろ~い!
そんなヒナコちゃんも、立派に一人前になり、今頃お母さんしてるのでしょうか??
芋煮姉さんの優しさにも感動です。
そういう人っていますよね、人の世話をするように運命づけられている人っていうか、
世話をしてあげなきゃいけない人が自然に集まってくる人っていうか・・・
きっと「お世話してあげるわよ」オーラが出てるんでしょうね。
残念ながらわたしにはそんなオーラは全然出てないと思うんだけど、
なぜ、一人では何にもできない厄介者の主人が、寄ってきてしまったんだろう・・・?

2008-11-16 * パウダーブルー [ 編集 ]

確かに、芋煮姉さんは決して一目を引く美人ってわ...
確かに、芋煮姉さんは決して一目を引く美人ってわけじゃなかったけど、
すごくモテたんですよね。
男の人って「お世話してあげますよオーラ」が見えるんでしょうね。

私にもそんなオーラは一筋たりともありませんっ!!

ヒナコちゃんは今頃どうしてるのかなぁ~

2008-11-17 * えびふらい [ 編集 ]